
「最近、仕事に行くのがつらい」
「やる気が出ないのに、無理して頑張っている」
「気づけば、ため息ばかり出ている」
そんな状態が続いていませんか?
精神科では、こうした訴えから受診につながる方が非常に多く、背景には適応障害などのストレス関連疾患やうつ病などの病気が隠れていることがあります。
この記事では、精神科医の立場から、**「仕事がつらい=うつ状態の可能性」**について詳しく解説し、今すぐできる対処法をお伝えします。
なぜ「仕事」がうつのきっかけになるのか?
現代社会では、仕事が人生の多くを占めています。
そのため、職場の環境や人間関係が心に与える影響はとても大きいものです。
1. 完璧主義・責任感の強さが「うつ」を招く
真面目で責任感の強い人ほど、
「周りに迷惑をかけたくない」「もっと頑張らなければ」と、自分を追い込みがちです。
その結果、脳の疲労が限界に達し、セロトニンなどの神経伝達物質が減少。
気分が沈みやすくなり、**「うつ状態」**へと進行していきます。
2. 職場環境・人間関係による慢性的ストレス
上司や同僚との関係悪化、過重労働、評価への不安など、
職場のストレス要因は数えきれません。
特に、努力しても報われない環境では、自己否定感が強まり、
「自分はダメだ」「もう頑張れない」という気持ちに陥りやすくなります。
3. 在宅勤務や孤立感による“心のエネルギー低下”
近年はリモートワークの増加により、
「誰にも相談できない」「ひとりで抱え込んでしまう」ケースも増えています。
この孤立感が長期化すると、気分の落ち込みや集中力の低下など、
うつの典型的な症状が現れやすくなります。
精神科医がすすめる「仕事によるうつ」への対処法

仕事によるうつ状態は、**「休むこと」「話すこと」「整えること」**で回復していきます。
ここでは、精神科で実際に患者さんに指導している方法を紹介します。
1. 無理に「頑張ろう」としない
うつ状態のとき、脳はすでに疲労の限界に達しています。
そんなときに「もっと頑張らなきゃ」と自分を追い込むと、
脳がさらにストレスホルモンを出し、悪循環に陥ります。
「今は休む時期なんだ」と自分に許可を出すことが、
回復への第一歩です。
2. 信頼できる人に「今の気持ち」を話す
うつの状態では、気持ちを言葉にすること自体が難しいこともあります。
しかし、話すことで脳の中の感情が整理されることがわかっています。
家族や友人、同僚でも構いません。
もし話しにくければ、医療機関でカウンセラーや医師に話すのも良い選択です。
3. 睡眠と食事を整える
仕事によるストレスが続くと、睡眠や食事のリズムが乱れがちです。
睡眠不足はうつ症状を悪化させるため、
まずは「決まった時間に寝て、決まった時間に起きる」ことを意識しましょう。
また、食事では炭水化物・たんぱく質・ビタミンB群をバランス良く摂ることが重要です。
特に、ビタミンB群は神経の働きを整え、気分の安定に関わります。
4. 仕事を一時的に離れる勇気も大切
精神科では、必要に応じて休職を勧める場合もあります。
「休む=逃げ」ではありません。
脳と心を守るための“治療”の一環です。
休職中にしっかり休息をとり、カウンセリングや薬物療法を併用することで、
再び社会復帰できるケースは多くあります。
うつ状態と診断された場合の治療法
精神科でのうつ状態の治療は、薬物療法・心理療法・生活調整の3本柱で行います。
- 薬物療法:脳内の神経伝達物質のバランスを整える抗うつ薬や抗不安薬を使用します。副作用を最小限に抑えるよう、少量から慎重に開始します。
- 心理療法(認知行動療法):ストレスに対する考え方のクセを見直し、感情のコントロールを学ぶ方法です。
- 生活調整:睡眠、食事、運動、休息などの生活習慣を医師と一緒に整えていきます。
うつ状態は「心の風邪」とも呼ばれますが、放置すると慢性化することもあります。
早期に治療を始めることで、仕事への復帰や再発防止がしやすくなります。
まとめ:仕事のために「自分」を壊さないで
うつの原因が「仕事」にある場合、
「みんな頑張っているのに自分だけ休めない」と思い詰めてしまう方も多いです。
しかし、心が限界を迎えた時は、体と同じように“治療”が必要です。
- 無理をしない
- 信頼できる人に話す
- 睡眠と食事を整える
- 必要であれば休職も選択する
どんなに責任感が強い人でも、休む勇気を持つことは立派な選択です。
あなたの心と体は、ひとつしかありません。
焦らず、少しずつ回復していくことを目指しましょう。
福岡市南区大橋の心療内科・精神科「 フィル心のクリニック」では「あなたの いちばん身近な こころの相談所」を理念に、誰にでも通いやすいクリニックづくりを心がけています。
「精神科・心療内科には抵抗がある」
「これまでクリニックに通ったことがあるけれどなんとなく居心地が悪かった」
そんな不安や経験のある方でも安心してご来院いただけるよう日々取り組んでおります。
コメント